猫が好き!


「こら。いい加減にしなさい、朝っぱらから」
「ちぇっ」


 仕方ないので夜まで待つ事にした。
 真純を離してその横で同じように腹ばいになる。

 すると彼女は少し上向いて、中空を見つめながら尋ねてきた。


「ねぇ、ハルコは元通りになるの?」
「もうなってるんじゃないかな」
「ホント?」


 素早くこちらを向いたその目は、驚きと共に嬉しそうに輝いている。
 その様子が微笑ましくて、進弥も頬を緩めた。

 一昨日の夕方、進弥は辺奈課長に呼び出されて、ハルコのウィルス検索にかり出された。

 元々他にないウィルスなので、パターンとかで検索する事はできない。
 そのため感染前のディスクの状態と現在の状態を付き合わせて、相違点を探るしかなかった。

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