猫が好き!


 カッとなった真純は、シンヤの額に頭突きを食らわせた。


「ねぼけるな!」


 シンヤは真純から手を離し、額を押さえて反対向きに転がった。


「いってぇ……。懐いていいって言ったくせに……」


 言い草から察すると、ねぼけていたわけではないようだ。

 真純は立ち上がると、シンヤを冷ややかに見下ろす。


「いい子にしてたらって言ったでしょ?」
「僕、何かした?」
「今、私の邪魔してる。さっさと起きて、ごはん食べてくれないと、片付かないから私の予定が狂うの」
「はぁい」


 シンヤは返事をしながら、のろのろと身体を起こして、まだ痛そうに額を撫でた。

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