海辺で恋するシンデレラ
波瑠さん、あの事件があってから
橘さんの事、心底嫌いみたいだから――――
「ふふっ、大丈夫だよ。謝りに来ただけだから、それにどこか遠くに行くみたいな言い方だっただけど・・・。」
そう、二度と会う事はないって言ってたし。
『そうか・・・あ、海桜。部屋、掃除してくれたでしょ?』
「あ、うん。ダメだった?」
『そんなことない、嬉しかった。ありがとう。仕事が忙しくて、最近掃除出来なかったから助かるよ。』
あ~、と今度は切なそうな溜め息をつく。
「どうしたの?」
『電話だと、凄くじれったい。今すぐにでも抱きしめたいのに・・・声だけだなんて、蛇の生殺し状態だよぉ。』
そんな波瑠さんの言葉に、思わず笑ってしまう。
「私も、逢いたい。」
「良かった。実は来てるんだ、部屋の前まで。」