デキちゃってない結婚
 そう言われ美月は子供のころを思い出した。美月の家はとても裕福だった、父はプロ野球選手、母はモデルと正に夢のような家族に生まれた。

子供の頃から着る服はいつも有名なブランド物でそのブランドのモデルまでやっていた。そんな美月は周りのクラスメートから羨ましがられる存在だった。

でも美月は同じクラスの友達が着ていた、お母さんが編んだ手編みのセーターが羨ましかった。

何でもお願いすれば手に入る、自分が手に出来ないもの何て無い、そう思っていた美月が初めて、自分が手に入れられない物に出会った瞬間だった。

お母さんが男の子は青色がいいって青一色なんだ、みっちゃんのはいいよなぁカラフルで、その言葉を突き付けられた時の気持ちを美月はまだ鮮明に覚えていた。

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