純情彼氏

高鳴る鼓動



2人っきりの帰り道
何を話したらいいか分からなくて

口を開いて空気を吸い込んで閉じてはの繰り返しだった


「………今度の日曜出かけよう?」

繋いだ手をキュッと握り直して
橘はあたしの方を見た

「……えっ…と、うん」

「…い、やだった?」

橘の目に不安の色が混じって揺らぐ


「違うっ。……っ…恥ずかしくて歯切れが悪くなったの」
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