純情彼氏

乙女な男子


そうこうしてる間に始業開始のチャイムが校内に鳴り響いた。


「……ほんとないんだけど」

椅子に座り直して、手元にあった本を開いた。


「あれ、戻んねぇの?」

「今の時間はうざ原の時間なの」

「あぁ…あいつか」

うざ原は古典の先生で岡原って言うだけど、まぁ時間に煩い。
少し遅れただけでもネチネチ言ってくるし、その時間ひたすら遅れた子を当ててくる。
だから、みんな岡をとって『うざ』原って読んでる。

遅れたあたし達が悪いのは分かってるんだけど…
かく言うあたしも大っ嫌いっ。
男がネチネチ言うなっての。

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