お姫様は王子様を演じてる
目の前にポイポイと投げられる洋服達。
「…それ、着てよ」
「はぁ…着なきゃだめですかね?」
「当たり前でしょ。
僕に恥かかせたいのっ」
私はノロノロとした動きで目の前にある洋服を手にとる。
色の濃いジーンズに薄いブルーのチェックのシャツ、ブランド物の黒のパーカー。
ん?
確かに高そうだけど…
お洒落ってかんじよりは…
「……悠斗、これ普通じゃないですか?」
そう言った私を悠斗はギロリと睨む。
「うるさい。
黙って着ろ…」
「すいません…」
悪いことなんて言ったつもりはないけど悠斗の眼力に押されて思わず謝ってしまった。