お姫様は王子様を演じてる



今私の目の前にはミニトマトが二つ。



真横には腕を組み、逃がさないというように睨みつける眼鏡男子。



「あの…僕…ミニトマト嫌いです。」



恐る恐る言ってみるけど、どうやらそんなのは関係ないらしい。



「ミニトマトが嫌いなんてふざけた奴だ!!
きちんと食べるまでここから一歩足りとも動くことは許さん!!」



「……学校遅刻しちゃいます。」



「じゃあ、食べろ。」



何でこの人上から目線なのかな…



私はミニトマトが嫌いだ…あの皮がぷちっとなるかんじと中からすっぱい何かがでるのがとても苦手。



トマトソースもトマトケチャップも好きなのに。



ミニトマトは許せない。



どうやったって口に入ることは許可できないのだ。



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