お姫様は王子様を演じてる
目玉焼きにベーコン、カリッと焼いたトーストにサラダ。
ここまでは完璧なのに…
奴が目玉焼きの横にいる。
ささっと食べるとミニトマトをはじに残してごちそうさまと言って席を立とうとした。
ガシッ…
私の腕を掴むと無理矢理また座らせる眼鏡男子。
…そして今、さっきの言い争いをへてこんな状態になっている。
「大体、僕たち初対面で名前も知らないのに…
強制的にこんなことする権利ないじゃないですか…」
口を尖らせ肩を竦める私を見て眼鏡男子は軽く咳ばらいをすると。
「俺は、兵藤一樹だ。
毎日の朝食は俺が準備している。
だから何人たりとも残すことは許可しない。」
「ぐっ…」
仕方なしに私は鼻をつまむと思いきって口にミニトマト二つをほうり込み。
ごくっ…
軽く噛むと飲みこんだ。