星がたり。


5分後。


10月になり、夜は寒い。
寒さ対策に、しっかり着込んだ彼はカバンを持って待ち構えていた。

「よし。行くぞ。」

私が来た事を確認して笑顔を見せる。
本当にどうしたんだろう。


昔はいつも裏山へ二人で天体観測に出掛けていた。
今日もコースからして裏山を目指してるんだろう。

「彼女はいいの?」

窓すら開けない理由。

彼女がかなりのヤキモチ妬きだからだと、お母さん達が話してるのを聞いた。
そんな彼女じゃ、一緒に出掛けるなんて事バレたら大変だと思うんだけど…?

「別れた。」

彼は歩きながらサラッと一言呟いた。


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