東條くんのとある1日


「え、え?」


え?なんで?これでいい?ってなにが?

ぽかーんとそれを見つめる私の頭をべしっと反対の手で叩きながら彼は楽しげに笑う。



「ばーか」

「なっ!」


ばかだけども!なぜ!?

理不尽な言葉の暴力にええーと思いながらも歩き出した彼につられて足を動かす。

手は繋がれたまま。




「お前さ、ばかだよ」

「うるさーい」

「だって俺17年もアピールしてたのに。気付かないとかどんだけ」

「はっ?」


「いくら幼馴染みだからって毎日学校一緒に行きたくないっつの。…………、好きじゃなかったら」





ぼそり。付け足されたのはちょっと乱暴な言い様で思わずぎょっと彼を見上げた。

え。





「ばか。お前、馬鹿すぎるからこっち見んな」



真っ赤だ…。なんで?え、え!?耳まで真っ赤な東條くんがふいっとそっぽを向いて、でも手は離さなくて。

じわじわと心臓から熱が沸き上がってくる。そんな。まさか。


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