東條くんのとある1日



「東條くん東條くんっ、私、東條くんのこと大好きだよ!」

「うるさい」

「…、(がーんっ)」



「こんなとこで言わなくてもいいだろ別に。どうせうち来るんだし」


「!」

「…。」

「夜、遊びに行ってもいい?」


「いつも来てんだろーが」




こっちを見るなと言わんばかりに、怒ったように真っ赤な彼は私の前髪をくしゃりとした。

髪の毛に神経なんて通ってないのはわかるけど、触れられた場所が熱い。そんな陳腐な歌詞をふっと思い出した。


陳腐な歌詞でもありきたりな幸せでも別にいい。

繋がれた手にぎゅっと力を込めると、振り返った東條くんは口をへの字にしてばか、と呟いた。




「なんでばかって言うのー」

「うるさ」

「ひどいっ!もう卵焼きあげないんだからね!」

「あれは俺のだったんだよ!」




ぐるぐるしてた気持ちなんてまるでなかったみたいに消えてしまった。

君の言葉はすごい。私の世界の色を全部塗り替える、たったの一言が愛しくてたまらない。





PM5:41
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