龍奇譚-彼の想い-





ハッと気付いた時には遅かった。



背後に居た峰が駆け出していた。



靴を脱ぐ事も忘れ、土足のまま上がり框に足を掛ける。





「母さん……っ!!!」



取り乱した峰の様子に一瞬、何が起きたのか理解出来なかったが。



ドタバタと響く足音に、慌てて峰の後を負った。





峰が駆け、それを追う。



足には自信があるのに、やはり妖狐。



峰との距離は中々縮まらなかった。





……だが。





< 671 / 682 >

この作品をシェア

pagetop