正の数【せいのかず】
「その子ってここにいるの?」

怖い質問だな…
まるでその子って生きてるの?って
質問されてるみたい…

「いるけど…死ぬかもしれないんだ…
黎都はどうなんだよ…想い人とかいるの?」
「いたけど…消えた…」
「死んだって事?」
「そんな感じ…」

黎都は、ヘッドホンを首から耳に移した。
もう質問は受け付けないような
この時はクロいノートも
頭の中から外れていた。

「隼輝!」
「比奈…」
「純がいないの!」
「えっ…?」

純がいない?

どういうことだ…

クロいノートをみても
正の数は一つもない。

まさか…自殺しようとしてる!?


「ごめん!黎都!また今度!」

夕暮れ時、ヘッドホンをした黎都に
会う事は二度となかった…
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