佳人な先生
瑞城先生は

顔色ひとつ変えず

返答をした。


「そうか。
 じゃあ相馬は
 月5~10万以上は
 稼がないといけないな。

 家賃だけじゃない。
 生活するのにも
 金がかかる。

 日頃どんな生活を
 したい。

 食費を削ってでも
 好きな洋服でもなんでもいい、
 自分の欲しい物を
 たくさん買える生活か?
 

 それとも好きな物を
 我慢して、日頃から
 普通の食事をして、
 たまには贅沢に
 高級なレストランで
 食事ができるような
 生活がしたいか。


 もしくは
 自分の好きな物も買って
 普通の食事もして
 たまには贅沢な食事もする
 ような、すべてを
 可能な生活をしたいか。

 どれがいい、相馬。」


立たされたままの

相馬さんがおそるおそる答えた。


「全部可能な生活・・・。」


きっと本心からは

思ってはいない言葉だと思う。

どの答えを選べばよいか

ドキドキしながら

答えている感じが伝わってきた。


「そうか。
 では、相馬。
 お前は今日から
 死に物狂いで勉強しろ。
 
 勉強して
 勉強して
 勉強して

 とにかく勉強して
 いい大学に行き
 一流の企業に入れ。

 そうすれば
 そういう生活ができるぞ。

 結婚もその企業に
 勤めてるやつとすれば
 そういう生活は
 保証される。

 よし、座れ。」


ようやく座ることを

許された相馬さんは

疲れきった様子で

席についた。

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