佳人な先生
「・・・私は
 まだ瑞城先生の事・・」


「・・・・。
 忘れろとは言わないけどさ、
 いつまで引きずるつもり?
 キツイ言い方かも
 しれないけどさ。
 誰もそんなこと望んで
 ないと思うよ。
 瑞城先生も芹沢さんも・・
 ついでに僕も。」


「・・・そう・・だね。」



「キリちゃんが
 メールした通りに
 瑞城先生たちを
 スッパリ切り捨てて
 まったく違う人を
 好きになってみるって
 のもありかもよ?」


「え?」


「僕とか。」


優しい笑顔のまま

アンリ君はそう言った。


「・・・考えてみる。」



「・・ウソだよ。
 言っただろ?

 僕は誰かの代わりは
 イヤなんだ。」


「・・ごめんなさい。」



「違うよ。
 キリちゃんは
 悪くない。
 僕の心が狭いだけ。
 過去を背負った女性を
 すべて受けとめて
 あげれるほど
 まだ人間が出来てないんだよ。

 僕も・・芹沢さんみたいに
 なりたいよ・・・。

 そしたら・・・」



「・・何?」



「・・いや。
 なんでもないよ。
 ずいぶんと遅くなって
 きたから送るよ。
 また何かあったら
 必ず連絡して?わかった?」



「うん。ありがとう。」



その後、アンリ君に

家まで送ってもらった。



学生の時にも

思ったっけ・・・。


私はアンリ君を

好きになっていれば

毎日楽しく過ごせたかな・・・。



本当にありがとう

アンリ君。
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