佳人な先生
「私の話しも聞いて?」


「うん。」


「私と瑞城先生が
 出会ったのは
 この前の雨みたいな日
 だったの。
 駅で雨の音を聞いていたら
 瑞城先生が傘もささずに
 駅に走ってきた。
 そして・・」
 

「ハンドタオルを貸して
 くれた女の子がいた。
 洗ってから返したいと
 言った俺に高校受験の
 願掛けに預かっててくれと
 言われた。
 ・・・とても
 かわいい子だったよ。

 僕に会ってすぐに
 今日少し変わった子に
 会ったんだと兄が
 話し始めたんだよ。」



「今日まで月冴さんと
 瑞城先生の話してきて
 この運命の出会いの話しで
 瑞城先生との想い出は
 おしまいなの。

 だから・・・
 明日からはあなたとの
 出会いからの話しをしたい。
 
 そしてこれからも
 たくさん話しができるように
 ずっと一緒に・・・。」



「あぁ。
 ずっと一緒にいよう・・・。」




月冴さんの私を

抱きしめる力が

少し強くなる。



私は月冴さんの

腕の中で目を閉じた。
















冬の夜の星の音

   冴えわたる月と永遠に―――









【END】
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