龍太郎一味のご無体な学園生活
「何か温かいものでも飲むかい?」

自動販売機に歩み寄り、硬貨を投入するアルベルト。

先程オズオズと「トリック・オア・トリート」と口にした事で、愛はアルベルトから小さな袋に入れられたマドレーヌを貰っていた。

二人で分けながら食べるにはちょうどいい量だ。

「愛は何がいい?ミルクティーとか…ホットココアもあるけど?」

自販機の前で愛の方を振り返るアルベルト。

勿論、甘いものは好きだ。

ミルクティーもホットココアも、この時期には必ずと言っていいほど飲む。

しかし。

「じ、じゃあ…コーヒーを…ブラックで」

甘い飲み物しか飲めない子供だなんて思われたくない。

愛のささやかな見栄だった。

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