【完結】キスからはじまる恋。

「……ごめん、斎藤くん……その、なんてお詫びしたらいいか……」


「気にするな」


「…………」




その話を聞いてしまった以上、あたしはなにも言えなくなってしまった………。





「……佐倉」


「え……？」


「……オレ、決めた。今度こそ、本気でおまえのこと、奪いに行くから」


「……え？」


「アイツなんかに絶対、渡さない。必ず、佐倉をオレのものにする」


「………あの」


「覚悟、しとけよ」




斎藤くんはそう言うと、あたしの頭を撫でて、ﾞじゃあなﾞと言って、あたしの前から立ち去っていった。



あたしはそんな斎藤くんの後ろ姿を、ただ見つめることしかできなかった………。
だって斎藤くんの目、今までも見せたことのないような、ﾞ男ﾞの目だったから………。