【完結】キスからはじまる恋。
はっ……?
何言ってんだ……?
「………オレが佐倉に、キスした」
「っ、おまえ……!」
オレは怒りで斎藤の制服の襟を思いっきり掴んだ。
「……おまえがしっかり捕まえてないから、こんなふうになってるんだろ?」
「………っ………」
そう言われてなにも言い返せず、オレは掴んでいた襟を離した。
たしかに、アイツの言うとおりだ。
オレがあの時から、捕まえてなかったから、彩音は今………。
ーーーオレを避けてる。
「……オレの好きな女をおまえはいつも奪う。でも今度こそ、オレは佐倉のことおまえから奪ってやるからな」
「……アイツとはもう、なにも………」
「坂月、おまえ、サイテーだな」
斎藤はそう言い残し、オレの前から歩いていった。