【完結】キスからはじまる恋。
「佐倉、オレは絶対諦めないから」
斎藤くんはそう言って図書室を出ていった。
「…………」
「……彩音」
大夢がそっとあたしに近付いてくる。
そしてあたしの頬にそっと、触れる。
「……彩音、ごめん」
久しぶりに感じた、大夢の温もり。
温かい大きな手で、あたしの頬に触れる。
「……大夢」
「ごめんな、彩音。傷付けて、ごめん」
大夢があたしをそっと抱き寄せた。
あたしはなにも言うコトが出来なかった。
「……大夢、あたしもごめん。あの時から、謝りたかった……」
「オレも、ごめん。本当にごめん」
「……うん」
「……彩音のコト、本当に好きなんだ」
「……うん」