【完結】キスからはじまる恋。
あたしは聞いているのがツラくなってしまい、思わずそう口にした。
「……だからアイツ、オレにあんなにおまえと別れろって言うんだよ。自分の好きな女がもう傷つけられるのとか、耐えらんねぇだ。だから、おまえにもあんなコトを……」
そう口にする大夢の顔が、本当に悲しそうで、寂しそうで……。
あたしはなにも言うコトが出来なかった。
「……ごめん、大夢。あたし、帰る……」
その場にいるのかとてもツラくなって、あたしは図書室を飛び出してしまった。
その後ろ姿が、とても悲しそうに見えたのに、あたしはなにも言えず、なにも出来なかった。
抱きしめるコトさえ、出来なかった。
………斎藤くんと大夢の過去が、壮絶だった。