めいどのバツ
めいどのバツ


「ちょっと出掛けてくる」

「こんな時間にどこ行くのよ!!」

「……お前の顔を見てると出掛けたくなるんだよ」

「また逃げるの!?」

「息抜きだよ!!」

「何よ!!それ!!アンタろくなことしないくせに息抜き!?大したことしてないんだから家のことくらい協力してくれたっていいじゃない!!」

妻は夫に一気に捲し立てる。
「息抜きしたいのはこっちよ!!」

「そのセリフにも飽きたんだよ!!」

「飽きたって何よっ!!アンタが変わらないから同じこと言うんでしょっ!!私だっていい加減言い飽きたわよっ!!」

「うるさいなっ!!どうせ俺なんて大したことないよっ!!悪かったな!!もういいよ!!」

夫は家を飛び出した。

妻は慌てて追いかけて夫の背中に向かって叫んだ。
「逃げるな!!どこ行くのよ!!」

夫は振り向きもせず答えた。
「冥土だよ!!」

「え……」

妻は固まった。

『言い過ぎちゃったかしら……でも、あれくらいで……まさかね……』


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