不遜な蜜月
「それで、これを・・・・・・」
「・・・・・・」
真緒が取り出したのは、胎児のエコー写真。
今日、松前先生がくれたものだ。
(興味、ないよね?)
一応、理人は受け取ったが、反応がない。
やっぱり、見せない方がよかったのかもしれない。
「・・・・・・すみません」
「なぜ謝るんだ?」
「あまり、嬉しそうではないので・・・・・・」
当然か、と真緒は目を伏せる。
望んだ妊娠ではないのだし。
「あぁ、いや・・・・・・。何と言うか、実感がなくてな」
「実感?」
真緒が首を傾げると、理人は迷いながら口を開いた。
「妊娠しているのはわかっているつもりなんだ。ただ、本当にお腹に子どもがいるんだな、と思って」
母と子は繋がっているが、父と子は直接的には繋がっていない。
だから、こうして写真で見て、初めて実感を得たのかもしれない。