野獣な執事とワンコお嬢様
気に入らないことがあれば引きこもり、誰とも喋らない。



子育てなんかしたことがないわけで。



『子供たちはカワイイよ。一生の宝だもん。育てた覚えないけど』



と、本人も言っていたくらいだ。



龍蔵さんと琴音に対しての愛情はあるらしい。



大人っぽいのは見た目だけで、中身は5歳児みたいな人。



夫である龍馬様は、『美琴はあれでいいんだよ。私の言うことだけは聞くからね』と笑顔で言っていた。



残念ながら、俺はそんなに心が広くないわけで。



「タマキさん、教育を間違いました…」

「今更おせぇよ。ちゃんと責任とれよ?じゃ、俺は行く。心配ならアゲハに来てもらえ」



アゲハを呼び、屋敷に帰ってタマキさんの代わりに仕事をする。



空き部屋になってる、龍蔵さんの隣の部屋を掃除した。



雪乃さんが住むであろう部屋だ。



「なにしてんの?2号…」

「たまには部屋の空気を入れ替えなければと思いまして」

「琴音は?付き添いじゃなかったの?」

「アゲハが行ってます。龍蔵様こそ、大学は…」

「やる気でな~いから休みぃ~」



そうですか…。



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