野獣な執事とワンコお嬢様
目が覚めた時に俺がいなかったら、琴音は泣きそうだ…。



「甘やかしすぎ」

「わかってます…」

「まぁ、今まで誰にも甘えられずに育ったんだから、仕方ねぇとは思うけど」

「はい…」

「このままじゃ琴音はなんにもできねぇ大人になるな。お前が面倒見るっつーなら、それでいいけど」



琴音がこのままの状態で大人に…?



そんな恐ろしいこと、考えただけでゾッとする…。



泣き虫、常識外れ、バカ、甘ったれ…。



社会に順応できる気がしないっ!!



「美琴様のズレっぷり、琴音にも遺伝してるだろうし」

「絶対イヤなんですがっ!!」

「じゃ、結婚でもすれば?俺は知らねぇけどな~」



琴音の母親、美琴様…。



それはもう、常識なんて言葉は彼女の中には存在しないわけで。



嫌いな食べ物は意地でも食わない。



欲しいものは我慢せずに買う。



フラッといなくなり、やたら動物を拾ってくる。



その世話はしない。



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