野獣な執事とワンコお嬢様
理解できないよ…。



「俺は家で使用人を雇うつもりはねぇし、普通の家庭しか作れねぇよ」

「うん…?」

「俺とこの先も一緒にいたいなら、俺がいなくても平気なくらいになれって言ってるわけ」

「ヒョウがいなくても…?ヒョウはそれでいいの…?」

「た、たぶん…」



へっ…?



まさかヒョウ、思いつき…?



「じゃあヒョウ、明日からなにもしなくていいよ…」

「ムリ」

「ヒョウが甘やかすんじゃん!!」

「確かに…。俺がダメなんだな…」

「ダメじゃないもん…。ヒョウが会社に入ったら…そのときがんばるから…」

「ははっ…。俺が原因かよ!!ダメだな、マジで」



気づいてなかったんだ…。



だけどあたしも、未来のことなんかなにも考えてなかった…。



そうだよね、ヒョウが四六時中一緒なんて、今だけなんだよね…。



あたしも少しずつ大人にならなきゃダメなんだよね…。



ヒョウの言うとおりだ…。



「今日、泊まり込むから」

「大丈夫だよ。経過がよければ明日帰れるもん」

「は…?」



大人にならなきゃね。



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