野獣な執事とワンコお嬢様
首に顔を埋めるヒョウは、寝る気配がない。



「急に大人になるの、やめろよ…。俺が寂しいだろ…」



えっ…?



今のはヒョウが言ったの?



あのヒョウが寂しいって…?



たまらなく愛おしくて、ヒョウの方を向いて抱きついた。



大好き、ヒョウ…。



このままずっと寝たふりしてたいよ…。



そう思っていたのに、いつの間にか眠っていた。



自分では元気になったつもりでも、まだ体調がよくないのか、朝はヒョウの声。



「おはようございます」

「おはよ…」

「朝食はどうしましょう。お部屋にお運びいたしますか?」

「食堂で食べるぅ…」

「顔を洗いましょう。目が覚めますよ」



差し出された手を握り、バスルームまで連れて行かれて。



すっごく甘やかされてる…。



顔を洗い、歯磨き完了。



そして気づく。



「今何時…?」

「9時でございます」

「ひょ…青柳、学校は!?」

「お嬢様の専属執事ですので。お召し替えはいたしますか?」



学校休んじゃってるよ…。



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