野獣な執事とワンコお嬢様
青柳と話すと、今はうまく自分の気持ちを言える気がしない。



「休憩してよ…」

「休憩はさきほどいただきましたよ」

「ヒョウと話がしたいからだよっ!!」



ガシガシと頭をかいたヒョウはまたため息。



あたし、面倒なことしてるの?



「琴音、俺、少しあっちに行ってくる」

「あっち…?」

「俺がいた大学。教授から連絡もらって、手伝いがしたい」

「未練はないんじゃなかったの…?」

「教授の話聞いて興味が出た。うまくいけば、新しい薬とかに使えそうでって、言ってもわかんねぇか…」

「どのくらい…行くの?」

「とりあえず冬休みいっぱい」



とりあえずって…なに?



あたしはヒョウがいないとダメなのに。



あたしをこうしたのはヒョウなのに!!



「勝手なこと言わないでよっ!!」

「琴音っ…」



ベッド下に落ちてる服を急いで着た。



この苛立ちが治まりそうもない。



「話を聞け」

「ヤダよ。あたしは認めないから」

「は?」

「あたしの専属執事でしょ?ふざけないでよ」



何も言わなくなったヒョウの部屋を出た。



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