野獣な執事とワンコお嬢様
しばらくして始まった琴音の仕事。



雪乃さんが着いてってくれるのが救い。



「ヒョウ、上の空」

「そんなことは…」

「会議に使う資料、どこ?」

「龍蔵さんのデスクの上に」

「ないけど」

「あっ、失礼。ここにありました…」

「琴音が絡むとしょうもないね~」



そうだろうな。



さっきからケータイばっかり気になる。



終わったってメールが来る約束なのに、まだ来ない。



「そんなに信用ない?俺の雪乃は」

「雪乃さんが着いてってくれることで心配は半減してますよ」

「ならいいけど~。仕事してくれないと、俺が困っちゃうんだよね」

「やることはやりますよ…」



ダメだな。



仕事にならん。



ケータイをカバンに入れ、仕事する。



もうすぐ来る夏休みは、きっと仕事だけで終わるんだろう。



車の免許も取らないと…。



俺も俺で頑張ろう。



「ヒョウ、会議始めるよ」

「了解です」



よし、仕事だ!!



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