野獣な執事とワンコお嬢様
できれば反対してほしかった…。



もう反対理由がなくなったじゃないか…。



なんともモヤモヤしたまま眠った次の日、琴音を起こしに部屋へ。



「おはよう、青柳」

「お…嬢様…?なぜ起きてらっしゃるんでしょう…」

「聞いてくれたんでしょ!?なんて言ってた!?気になって早く起きちゃった!!」

「龍馬様は…好きにしていいと」

「やったぁ~!!頑張るからね!!」



本当に嬉しそうで、何にも言えない。



なんだか俺の手から琴音が離れて行くような気がして、少し寂しい…。



頑張らなくていいから、おとなしくしててくれよ。



メシなんて俺が食わせるし、何にもしなくていいから。



俺から離れないでくれよ…。



「どうかしたの?青柳?」

「いえ、頑張ってくださいね」

「うん!!」



まぁ、俺は見守るしかないらしい。



琴音が決めたことだ。



コイツは俺じゃなく、琴音というひとりの人間で。



見守るしかなさそうだ…。



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