野獣な執事とワンコお嬢様
俺とタマキさん、雪乃さんで3人のメシ。



「なんか不思議だな」

「そうですね」

「主がひとりもいねぇって、なんかつまらん」

「タマキさん、最近寂しそうですよね。龍蔵さんが忙しくなってから」

「そうか?」

「そうですよ。元気がない」

「気持ちわりぃこと言うなよ。龍蔵にはデカくなってもらわないと、職を失うのは俺だからな」



そう言って笑うタマキさんだけど、龍蔵さんが仕事してからはなんだか元気がないように見える。



なんとなく、わかるかもしれないけど。



琴音が忙しい今、執事としての俺は必要ないんじゃないかと思う時があるから…。



きっと、タマキさんもそんな気分なんじゃないだろうか。



「タマキは龍蔵にとって、大事な人だよ」

「なんだよ、雪乃…」

「疲れたら『タマキ~』だし、ヒマだと『タマキ~』だもん。いつまでも龍蔵のそばにいてくれなきゃ困るよ」

「ははっ!!俺は嫁か!!」

「嫁の座は譲らないから!!」

「俺は死ぬまでここにいるって決めてっから。早くガキ産めよ。ヒマだろ、俺」



そうか…。



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