野獣な執事とワンコお嬢様
それから学校に行った琴音より、先回りして学校へ。



なぜか下駄箱に手紙が大量に入ってる。



またあの気持ち悪い手紙だろう…。



「おはよ、ヒョウ」

「おぅ」

「モテるね~」

「嬉しくねぇけどな」

「好きなコでもいるの?」

「まぁ」

「有栖川さん?」

「ん~」

「そうなのっ!?」



気づかなかったのかよ、ジョー。



かなり可愛がってやってんのに。



「意地悪ばっかりしてるじゃん…」

「違う、躾だ」

「躾…」

「俺好みの女に育ててんだよ」

「超Sだね」

「そうか?」

「ヒョウくらいのS、見たことないよ」



楽しんでるわけだ。



学校では特に。



友達がいない琴音は、ひとりで本を読んでることが多い。



その、平気そうな顔が気に入らない。



「オイ、琴音」

「はいっ!?」

「喉乾いた」

「じ、自分で買えば…いいじゃないですか…」

「コーヒーな」

「かしこまりました」



走れ、犬。



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