野獣な執事とワンコお嬢様
琴音が寝静まってから始まった緊急執事会議。



議題、琴音のデート。



タマキさんは一応、俺より立場が上で、この屋敷を統括しているのもタマキさんだ。



まず、事の経緯を話した。



「そういうことか」

「ですから、タマキさんには当日、お嬢様の監視役を」

「まぁなぁ~…、琴音はこの家の令嬢なわけだし。俺だって、龍馬様から龍蔵と琴音の警護をまかされてはいるけど…」

「仕事ですよ、タマキさん」



陰から見守ることも、仕事だと俺は思う。



ふたりを狙った変なヤツがどこにいるかもわからないし。



「尾行すんのはかまわねぇ」

「よかった…」

「勘違いすんなよ、青柳」

「なにをです?」

「琴音の身になにかあった時は助ける。だけど、琴音が自分の意志で動くような場合は、俺はただ見てるだけだ」

「それでは意味がっ…」

「人生経験ってヤツも、時には必要だろ?琴音の頭は支配できても、心まで支配できると思うなってことだ」



だったら俺が行けばいいのか?



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