野獣な執事とワンコお嬢様
約束の日まで、何か手段はないかと悩んだ。



「おはようございます、お嬢様」

「…………」

「まだ眠いのなら、お召し替えのお手伝いをいたしますか?」



プイッと顔を背けた琴音は、バスルームに駆け込んだ。



シカトかよ…。



琴音のくせに、随分な仕打ちだな。



シーツやカバーをベッドから外し、洗濯室へ持って行く。



琴音の匂いがする…。



フルーティなシャンプーの匂いだ…。



なんだか精神的に疲れたので、シーツを抱えたまま壁に寄りかかった。



シーツに顔を埋め、深いため息。



「変態…」

「龍蔵様っ!!おはようございます…」

「疲れた顔してる、青柳2号。大丈夫?」

「平気でございます」

「土曜日、タマキの代わりに青柳2号なんだって?」

「あっ、よろしくお願いします」

「こちらこそ~」



それの準備もしなきゃ…。



あぁぁぁ~…、気分が乗らねぇ…。



洗濯をメイドに任せ、食事の用意。



それにも無言の琴音。



< 77 / 500 >

この作品をシェア

pagetop