野獣な執事とワンコお嬢様
行きだけ、タマキさんが送ってくれた。



「琴音、青柳のことだけど」

「うん?」

「2日前から体調よくねぇぞ」

「えっ!?」

「シェフの話だと、キッチンで倒れかけたって」

「パーティなんか行かせて大丈夫なの!?」

「移動中に休めるし、俺が行くより、青柳に行ってもらった方がこっちも都合がいいんだ。いろいろとな」

「明日は絶対休ませる!!」

「働きすぎだ、あのバカは」



約束の場所は、学校の近くの駅で。



タマキさんと別れ、先輩を待った。



ヒョウの体調が悪かったなんて、ぜんぜん気が付かなかった…。



あたし、主人失格だよ…。



ヒョウだって人間なんだから、体調が悪くなることだってあるんだ。



それに気が付かなかったなんて…あたしってヒョウの言う通り、バカだ…。



「おーい、有栖川ちゃ~ん?」

「先輩っ!!」

「さっきから呼んでたんだけどね…」

「すみません、考え事してて…」

「待った?」

「今着たとこです」

「じゃ、遊びますか~」



ヒョウのことで頭いっぱいだったよ…。



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