キープアウト!
「オレ…何やってるんだろう?」

拓也がハッと我に返った。

「樹里、ごめん…。オレのこと嫌いにならないで欲しい」

拓也が何度も、「ごめん」と謝った。

でも。
今のあたしには、拓也を受け入れる余裕なんてなかった。

何も言わずに、玄関を開けて飛び出していた。

怖かった…
すごく怖くて…
拓也じゃなかった。

穏やかな拓也があんなことするなんて。

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