家元の寵愛≪壱≫
耳に届く彼の鼓動が心地いい。
隼斗さんの胸に手を添えると…
「いつ、納車?」
「えっと…来週の土曜日です」
「ここに届くのか?」
「あっ、はい。お父さんが届けてくれる事に…」
「そうか」
「本当にごめんなさい」
「だから、もういいって。今回はお義父さんに譲るから、気にするな」
「……はい」
申し訳なさすぎて、小さく呟くと…
「フフフッ…」
隼斗さんは何故か、笑ってる。
「どうかしたんですか?」
「ん?ゆの、そんなに俺に悪いと思うなら…」
「はい?」
「俺はこれで勘弁してやるよ」
「えっ、ッん////////」
隼斗さんは私の身体を強く抱き寄せ
少し強引に唇が塞がった。
けれど、無理やりなキスでなく
蕩けるような……甘い口づけ。