家元の寵愛≪壱≫
午後の稽古を終え、帰宅すると…
母屋の玄関先で仁王立ちのゆの。
フフッ、怒ってる顔も可愛いなぁ。
「ただいま、ゆの」
「隼斗さん!!あれはどういう事ですか?!」
初めて見るゆのの剣幕。
だけど、可愛い顔で怒るから
俺的には全~然怖くない。
「ん?とりあえず、着替えたいから部屋に行こう?」
「えっ、ちょっとー!!」
脹れるゆのの手を掴んで、離れへと。
寝室に入り、襖を閉めて振り返る。
まだ納得がいかない表情の
ゆのをギュッと抱きしめて…
「ッん…こんな事したって、許しませんよ?」
「どうして?」
「どうしてって…何で黙ってたんですか?秘密はしない約束ですよね?」
「秘密?別に隠してたワケじゃない。聞かれてないだけ」
「なっ!!それっておかしいです!!」
「おかしかないよ」
「絶対、屁理屈ですよッ!!」