家元の寵愛≪壱≫
髪を乾かし終り―――――。
はぁぁ~~
今日こそはきちんと話さないと。
私は意を決して、畳の上に正座した。
「隼斗さん、折り入ってお話があります」
「ん?」
腕立て伏せをしていた彼が私のもとへ。
「何?改まって……ってか、ゆの悪い、ここ押さえてて?」
「えっ?」
隼斗さんは畳の上に寝転んで膝を折り曲げた。
私は促されるまま足首を押さえると
軽やかに腹筋を始めた。
「で?……話って……何?」
「…ッん!?////……ッん!!////」
上体を起こす度に私の唇を奪う彼。
「……で?」
「もう!////ッん////落ち着いてッん!////話なんてッん////」
こんな状態で重々しい話を
出来るワケないじゃない!!
もう、何を考えてるのかしら?!
「……ッん////………もうッん////」
私は顔を真っ赤に染め、キッと睨み付けた。