家元の寵愛≪壱≫


ゆのは毎日のように“1人で行きます”と言い張るが、

こればかりは何と言おうが譲れねぇ。


校舎内にズカズカ行けるもんならついて行きたいが、

仕事がある上、立場上…問題も起こせない。


いっそ…大学を辞めさせるか?

別に大学に行かなくても何の問題も無いハズ。

俺の妻に永久就職したんだから。


けど、バタバタの入籍で…

ゆのの将来について話した事が無い。

ゆのは一体、何の為に大学へ行きたかったんだ?

こればかりは本人に訊かないと。

後でそれとなく訊いてみるか…。




仕事を終え、自宅の母屋へ行くと…

母さんとゆのが奥座敷から居間へ歩いて来る。

居間の前にいる俺に気付いたようで、


「お帰りなさい」


ゆのは極上の笑顔で駆け寄って来た。

ッ!!////////

マジでヤバい!!!!

母さんがここにいなきゃ、

即行で抱きしめ、キス出来るのに。


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