家元の寵愛≪壱≫
「隼斗ッ!!」
「いや、無理っすよ!!」
「いいから来いよッ!!」
「えぇ~っ、マジっすか?」
玲のお兄さんが無理やり隼斗さんをステージ上に連れ出した。
ステージ上には隼斗さんと玲のお兄さん、友人3人で。
尚も軽快に曲が流れていると、
「えっ?!……何なに?どういう事?!」
ステージ上で男性5人が見事なまでに華麗に踊っている。
隼斗さんの友人2人がブレイクダンスをし、
それに合せるように3人がキレキレの踊りを……。
唖然としたのは一瞬で、
脳内が物凄い速さで答えを導き出した。
―――――隼斗さんも?!
お弟子さん達の手拍子に合せ、会場内が大盛り上がりに。
曲が終わり、ステージから下りて来た彼は
静乃さんから花束を受け取り、そして私の元へ。
「ゆの、これからも宜しく」
彼は跪いて、花束を差し出した。
私はそれを無言で受取った。
だって、涙が溢れ出して、言葉にならないんだもの。
こんなにも素敵な時間、一生忘れる筈が無い。
私は全身で幸せを噛みしめていた。
すると、