家元の寵愛≪壱≫
再び、どこからともなく曲が流れ出した。
思わず視線が泳ぐ。
……何?
今度は何??
こう次から次へとサプライズが続くと
さすがの私も免疫が出来て来る。
隼斗さんから戴いた花束をギュッと握りしめ、
入口のドアやスタッフの人に視線を巡らせ、
さらに静乃さんを始め、お弟子さん達に視線を向ける。
……ん?
何も起こらないわ。
やだっ、ただのBGMなんだ。
思わず、顔を伏せて自重する。
恥かしいぃ~/////
自分では何もしないのに、期待ばかりして……。
心の中で自分を叱責していると、
「ッ?!」
突然、隼斗さんの手が肩に置かれた。
思わず肩がビクッと震え、
無意識に顔を持ち上げ彼へ視線を向けると
マイクを手にした彼は……―――……
会場にいる女性を虜にするほどの甘い声音で
Bruno Marsの『Just The Way You Are』を唄い出した。