家元の寵愛≪壱≫
「ゆの?!」
「もう終わりですか?」
「え?」
ソファに座る俺の横に
床に直接正座しているゆの。
「いつからそこに?」
「ん~5分くらい前だと思います」
「………」
「もう、いいんですか?」
俺は結構な時間、あぁしていたようだ。
すると、
ふわりと柔らかい物が…。
「少し冷えるので、お身体に障ります。日本より10度くらい低いハズですから」
ゆのは優しい表情で、
俺の肩にガウンを掛けてくれた。
「ありがとう」
「いいえ」
俺の向かい側に座ろうとするゆのの手を掴んで
「えっ??!!」