運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
同盟



「美夜ちゃぁ〜ん!!!」

久しぶりの、逢瀬。


龍馬は飛びつくようにして美夜を抱きしめる。

美夜もまた、そんな龍馬に腕を廻して強く抱きしめる。


お互いに久しぶりな様で、しばらくこんなイチャイチャが続いた。

そんな二人を見る重太郎は。


目に光が差し込まないくらい冷めた目で、心の底から二人を睨む。

「えずい、離れろ、…ぅお゙ぇ゙ッ」

なんで毒づきながら、吐くフリをする。


そんな重太郎に、龍馬はカチンときて。

「どがぁこつがえずいじゃ!!美夜ちゃんはこじゃんと別嬪さんやろぉっ!!!」

と言いながら対抗する。

「あぁ、えずいえずい。わしもつわりかのぅ」

「あ゙??つわりナメんじゃねーよ!!重太郎コルァ!!!つわりの恐ろしさ教えてやろうかァ!?アァン!?」



と、怒鳴り付ける美夜。

三人で居るときは皆子供みたいで。

怒ってはいるものの、三人の顔には笑顔が綻んでいた。


「今日も御三方は仲がこじゃんとえいですなぁ」

「あぁ、ご無沙汰やったきのう」



龍馬の護衛に行っていた人も、今まで美夜と重太郎の護衛のため残っていた人も。

薄い笑いをついつい綻ばしながら、親のように三人を見つめる。


確かに毎日毎日あぁだとウザくなってしまう時もあるが。

やっぱり、三人が居てこそ楽しいのだ。


さ、と話を切って。

いつまでも仲良くはしゃぐ三人に声をかけて、旅館の中に入る。


この幸せが、いつまでも続くような気がした。


いつまでも。


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