運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「それより…」


重太郎は無愛想に口を開くが、言葉には優しさが含まれている。


「おまん、いぬる所はあるがか??」


今も、美夜を心配しているのは事実。


突然の重太郎の優しさに美夜は戸惑う。


いわゆる、ギャップルール。


「え…あ…ない、わ」


少し戸惑いながらとっさににいう。


まぁ幕末の時代なのだ。美夜の帰る場所はない。


それを聞いた龍馬は、


「何やと!!??そがなちっさいおなごが一人がか!?危ないきぃ!!!わしらについて来んさい!!」


そう、美夜に強く言う。


「攘夷志士のわしらと居る方が危ないきぃ。龍馬、よう考え。」


と重太郎は龍馬につっこむが、龍馬は一度言うと自分の思いを曲げるはずもなく。


「何言いゆう!!幕府の時代は終わるきぃ、幕府側につく方が危ないがぞね!!」


と重太郎に突っ掛かる。


二人共、なんだかんだいって美夜の事を心配して言い合っている。


美夜には、考えれなかった。


今この幕末の時代も治安が悪くて、戦や変が起こって経済状況もよくない美夜の時代と同じはずなのに。


美夜の時代の人は、自分の事しか考えない。


美夜も、自分さえよければいいて思っている。


なのに。


どうしてこの時代の人は、人のために言い合いができるのだろうか。


まったく美夜には理解ができなかった。
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