運命の果ての恋〜歴史は変わらない〜
「無理に、参加せんでえいろう。美夜ちゃんには苦しませとうないがじゃ。ただ、ついて来るだけでえいよ」


目をつむるせいで、美夜の長い睫毛が余計にめだった。


「龍馬は、優しいね」


「ん〜…そうがか??」


龍馬は言われた事がないのか、少し恥ずかしそうに頬をかく。


「うん…世話焼きだし、明るいし、目が澄んでるし、志が素敵。」


「お…おぅ…そうかえ…」


よっぽど恥ずかしいか、龍馬の頬は、朱に染まっていた。


「そがにわしのいい所ば見つけゆうに、美夜ちゃんは自分のいい所言うてみんさい」


少し早口な龍馬。


少し話を変える。


「え、え〜…ないよ」


美夜は恥ずかしそうに口元を吊り上げる。


そんな美夜の反応に、龍馬は心苦しくなる。


なんだか、龍馬の胸がじわりと熱くなった。


「じゃあわしがちょっとずつ美夜ちゃんのいい所ば見つけるき」


「…うん、そうして」


龍馬と美夜は、遠回しにこれからも一緒に居る約束を交わした。
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