ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
第二十四章 手に手を取って
 自分がどこをどう歩いてきたのか記憶が曖昧だった。

 奈央はアルバンホテルのある大通りをトボトボと歩いていた。


「……」



 ふと顔を上げると数時間、前奈央が温かい珈琲を飲みながら、コンテストに期待を膨らませていた喫茶店があった。


 店内をちらりと見ると、見るからにクリスマスを楽しんでいるカップルの姿が目に入る。


 至福の時を恋人と過ごしている女性に嫉妬してしまう。



「あ……」
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