ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
「あ、ありがとうございます、私、こういう場所って慣れてなくて……」




「紗矢子さんをフランセルに紹介したってことは、あのクッキングスクールの事知ってたんですか?」



「うん、職業柄ね」




 奈央は喉の渇きを思い出し、グラスに注がれたワインを一口飲んだ。



 空きっ腹に飲んだアルコールが胃の中でじんわりと広がっていく。



「春日さんって、アルページュのシェフなんですよね? だったら今夜私たちが持ち寄った料理なんて……なんだか恥ずかしいな。私の失敗しちゃったし」



 少し恥らいながら奈津美がもじもじと俯く。


 奈央はそんな奈津美になんとなく親近感を覚え、頬を緩ませた。




「恥ずかしいなんて……もし、失敗しちゃった料理でもみんなで食べればきっと美味しいと思う。お腹も空いてるし」




「クッキングスクールの先生も似たような事言ってました。美味しく食べる最高のスパイスは空腹だって」




「……え?」
< 44 / 326 >

この作品をシェア

pagetop