Dearest

10・プールの悲劇

暑い日がまだまだ続く残暑。


電気代節約の為、クーラーをつけないエンドロール家は蒸していた。



「アキ〜…暑くて死んじゃうよ。クーラーつけよう?」

「ダメ!先月の電気代、いつもに比べて1つ桁が多かったんだから」

「ラヴ稼いでんだから大丈夫だろ。ケチるなよ」

「そういう問題じゃないの!扇風機はついてるんだから我慢しなさい」



熱風しか送らない扇風機は意味を成さない。


子ども達は汗を掻きながらリビングでうなだれていた。




「もうだらしないなぁ。…そういえば小さい頃使ってた家庭用プールがあったな。どこに閉まったかしら」



アキは押し入れの中を散策し始めた。




「レオン!アキがいない今がチャンスだ。クーラーつけろ」

「…アシュリー、お母さん戻ってきたら怒られるぞ」

「うっせぇな、サミュエルは。大丈夫、レオンのせいにすればいいだけの事だ」

「何それ!酷いよアシュリー!!」




蒸し暑い家の中で、汗ばみながら暴れる子ども達。
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